ぼろぼろのキッチン
そのキッチンときたら、前の住人はDIYで改装をし始めたものの途中で諦めたようで、壁紙は剥がれかけ、タイルは一部すでに剥がされ、システムキッチンの収納棚は朽ちかけており、しかもオーブン付きのレンジが入れられる所は冷蔵庫の奥で暗い。
でもこの家は古いので、壁紙を適当に剥がすと壁の漆喰まで剥がれてくるかもしれないから、プロに任せた方がいいと忠告されて渋々そのキッチンで3年過ごしました。
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壁紙にさよなら
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35年前のタイル
改装は地元の改装業者に頼むことにしたのですが、打ち合わせでお店に行った時にそのタイルを持っていくと、その改装業者の社長さんが一目見て言いました。「これは僕が35年前にこの店を開いた時に扱っていたタイルだ!」
同じ通りにあるこの業者。彼がそのお店を開いたのは1981年です。きっと前の住民もここを利用したのでしょう。期せずして前のキッチンの年代が判明しました。1980年代初頭。
トレンディなアボガドグリーン
収納棚のドアの色はアボガドグリーン。アメリカの水廻り総合メーカーであるコーラーのサイトによるとアボガドグリーンが使われていたのは1967年から1979年。イギリスのドアメーカーOriginのサイトによると1970年代のキッチンカラーはアボガドグリーン、オレンジ、茶色、ゴールド、黄色となっています。
私たちの前の住人がキッチンの改装をしたのが1980年代初頭だとしても、一般家庭にトレンドが浸透するのは時間がかかりますから、70年代に人気だったアボガドグリーンを選ぶのもおかしくありません。
また、最近イギリスでは取っ手なしの収納棚が流行っていますが、実は1960〜70年代のキッチンもスムーズで取っ手がないのが流行りでした。
時代を感じる床材
ビニル材の床は1920年代に開発されました。戦後素材不足ということもあり、コンクリートの床にビニル材の床シートを貼るのが一般的になりました。このキッチンも、覆われていたカーペットを剥がすと、コンクリートの上に70年代のものだと思われる茶色のビニル材が貼られていました。
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適材適所
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