以前にお風呂について書き、その時に素晴らしい風呂文化はローマ軍の撤退と共に忘れ去られ、12世紀になるまで温かいお風呂はなかったと書きましたが、別件でアングロサクソン時代の事を調べていたらお風呂についての記述を見つけましたので、ここで訂正しておきます。
温かいお風呂は一般的だった!
アングロサクソン時代とは、ローマ軍撤退後5世紀頃から1066年のノルマン人の征服までの時期を示します。Sharon TurnerはHistory of the Anglo-Saxons(1799〜1805年出版)の中で、アングロサクソン時代には温かいお風呂を使用していたとし、それもかなり一般的だったと述べています。
West Stow by midnightblueowl (creative commons) |
温かいお風呂に入らないのは苦行
尼僧は、温かいお風呂は祭事のある時にしか入らなかったそうです。というのは、温かいお風呂や柔らかいベッドに入らないのは、苦行の一つだとされていたからです。また、貧しい人に肉、保護、暖、飼葉、ベッド、お風呂、洋服を与えることは、慈善の為の務めとされていました。
Monkwearmouth-Jarrow修道院 by Xaphire (creative commons) |
旅人の足を洗う
特に、長旅の後にお湯で足を洗う事については、その時代の文献によく述べてあるそうで、客人が見えた時には必ず行っていたそうです。お金持ちにとって、貧しい人の足を洗ってあげる事は、罪滅ぼしの為の苦行の一つだったそうです。
こぎれいなヴァイキング
793年からヴァイキングがブリテン島に襲来し、865年には侵略が始まります。そしてイングランド北部を中心に定住します。
ヴァイキングは野蛮というイメージがありますが、実は毎週土曜日には必ずお風呂に入り、地元の人間よりもかなり清潔だったようです。
10世紀のアラブ人Ahmad Ibn Fadlanの記述により、ヴァイキングは髪を金髪に脱色する石鹸を使っていたと信じられています。ヴァイキングはもともと北欧出身ですから、髪の色は薄かったでしょうが、その石鹸に含まれていたライ麦が脱色効果があったようです。髪を脱色する慣習は女性より男性のものであったようです。
イギリス人女性のハートを掴んだヴァイキング
こぎれいで、長い金髪を櫛で梳いていた長身の男性達は、地元女性のハートを掴みました。現在のイギリス人でも、金髪の人はほぼヴァイキングの血が入っています。
この時期のお風呂の普及が、ローマ時代から残されたものなのか、それともキリスト教を通じてその時代のイタリアからもたらされたものなのか、はたまたヴァイキングの影響なのかは定かではありません。
:D
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